あなたの互助会は経産大臣許可の228社に載っているか|許可一覧の読み方と限界

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あなたの互助会は経産大臣許可の228社に載っているか:許可一覧の読み方と限界

冠婚葬祭互助会は経済産業大臣の許可がなければ営めない事業で、許可を受けた事業者は経済産業省が一覧で公表しています。令和8年3月末時点で**228社**。ただし年間取引額が1,000万円未満の場合は許可が不要(割賦販売法第35条の3の61第1号・同法施行令第4条)なので、「一覧に無い=違法」とは読めません。読み方を順に説明します。

① そもそも互助会は法律上どういう事業か

「互助会」は通称です。法律上の呼び名は前払式特定取引業で、根拠は割賦販売法です。

同法第2条第6項は、前払式特定取引を次のように定義しています。

この法律において「前払式特定取引」とは、次の各号に掲げる取引で、当該各号に定める者に対する商品の引渡し又は政令で定める役務(中略)の提供に先立つてその者から当該商品の代金又は当該指定役務の対価の全部又は一部を二月以上の期間にわたり、かつ、三回以上に分割して受領するものをいう。

(出典:割賦販売法・e-Gov法令検索・2026-08-17確認)

そして「政令で定める役務」の中身は、割賦販売法施行令の別表第二に書かれています。

一 婚礼(結婚披露を含む。)のための施設の提供、衣服の貸与その他の便益の提供及びこれに附随する物品の給付 二 葬式のための祭壇の貸与その他の便益の提供及びこれに附随する物品の給付

(出典:割賦販売法施行令 別表第二・e-Gov法令検索・2026-08-17確認)

つまり互助会とは、冠婚葬祭のサービスを、提供より先に、2か月以上かけて3回以上に分けてお金を集める事業です。「積立」という言葉で呼ばれますが、法律上は預金でも保険でもありません。役務(サービス)の対価の前払いです。ここが後の解約返金の話につながります(→ 互助会の解約手数料と返金——割賦販売法のルールで検算する)。

② だから許可制になっている

サービスを受け取る何年も前にお金を払う仕組みなので、法律は事前規制をかけています。

前払式特定取引は、経済産業大臣の許可を受けた者でなければ、業として営んではならない。

(割賦販売法第35条の3の61・出典:e-Gov法令検索・2026-08-17確認)

この許可を受けた事業者の名簿が、経済産業省が公表している一覧です。ここに載っているということは、少なくとも経済産業大臣の許可を受けているという事実の確認になります。

③ 一覧は3本ある。混同しないこと

経済産業省の「(前払式取引)許可事業者一覧」ページには、令和8年3月末時点で3行が並んでいます(2026-08-17に実取得して確認)。

一覧件数
前払式割賦販売業者該当事業者なし
前払式特定取引業者(友の会)一覧80社
前払式特定取引業者(冠婚葬祭互助会)一覧228社

「友の会」は百貨店などの積立で、冠婚葬祭互助会とは別の一覧です。探すべきは「冠婚葬祭互助会」のほうです。ここを間違えて「載っていない」と判断してしまうケースが起こりえます。

④ 228社を分解する

一覧の中身を集計しました(自社DB/経済産業省の令和8年3月末時点一覧PDFをパースしたもの・2026-08-16取得)。

所管局別

所管局社数
関東76
九州32
中部32
東北26
近畿24
中国16
四国14
北海道5
沖縄3
合計228

都道府県別(多い順・上位11)

都道府県社数都道府県社数
東京都18静岡県8
愛知県14埼玉県8
福岡県13福島県7
神奈川県11山形県7
長野県9千葉県7
兵庫県7

所在地が1社もない都道府県は滋賀県のみで、残り46都道府県には所在地を置く許可事業者が存在します。ただし所在地と営業エリアは別なので、「自分の県に所在地の会社がない=その県では互助会が営業していない」という意味にはなりません。

許可年の元号別

元号社数
昭和206
平成20
令和2

228社のうち206社(約90%)が昭和のうちに許可を受けています。最も古い許可日は昭和48年12月27日で、この日に許可を受けた事業者が複数含まれます(株式会社くらしの友〈東京都〉、株式会社セレマ〈京都府〉など)。一方で令和に入って許可を受けたのは2社だけです(株式会社全国支援互助会〈東京都〉令和4年2月16日、株式会社公世社花平〈和歌山県〉令和5年2月7日)。

これは新規参入がほとんどない産業だということを示しています。裏を返せば、親が入っている互助会は、数十年前に許可を受けた会社である可能性が高いということです。

⑤ 【重要】一覧に無いからといって違法とは限らない

ここが本記事でいちばん誤読されやすい部分です。**「経産省の一覧に載っていない=その会社は違法」ではありません。**理由は4つあります。

(1) そもそも許可が不要な規模がある

第35条の3の61には、はっきりとただし書きがあります。

ただし、次の場合は、この限りでない。 一 商品又は指定役務の前払式特定取引の方法による年間の取引額が政令で定める金額に満たない場合

(出典:割賦販売法・e-Gov法令検索・2026-08-17確認)

そして「政令で定める金額」は、割賦販売法施行令第4条で千万円と定められています(同・2026-08-17確認)。年間取引額が1,000万円に満たない小規模な事業者は、許可を受けなくても違法ではありません。

(2) 一覧は「令和8年3月末時点」の断面

一覧には基準日があります。基準日より後に許可を受けた事業者、基準日より前に廃止・合併した事業者は反映されません。最新の状況は基準日の更新を待つか、所管課に確認する必要があります。

(3) 許可の名義は「法人名」で、サービス名やブランド名ではない

一覧に並ぶのは法人名(株式会社◯◯)です。チラシや会員証に書かれているブランド名・互助会名と、許可を持っている法人名が一致しないことがあります。グループ会社に許可があり、営業は別名で行われている場合もあります。探すときは契約書・約款に書かれた正式な法人名で探してください。

(4) そもそも前払式特定取引ではない商品がある

割賦販売法の定義(2か月以上・3回以上の分割前払い)に当てはまらない商品は、この許可の対象になりません。たとえば次のようなものです。

  • 一括前払いの葬儀プラン(分割していない)
  • 葬儀保険・少額短期保険(保険業法の世界で、監督官庁も別)
  • 会員になると割引される、という会員制サービス(前払いしていない)

これらは「互助会の許可がない」のではなく、そもそも別の制度です。混同すると誤った判断につながります。

⑥ 許可があると何が守られるのか——ただし守られるのは「半分」

許可制の実益は、前受金の保全にあります。割賦販売法第18条の3(前払式特定取引に準用)は、事業者が集めた前受金について保全措置を義務づけています。ただし条文はこう書かれています。

許可割賦販売業者は、毎年三月三十一日及び九月三十日(以下これらの日を「基準日」という。)において前払式割賦販売の契約を締結している者から基準日までにその契約に係る商品の代金の全部又は一部として受領した前受金の合計額の二分の一に相当する額が当該基準日における第十七条第一項に規定する営業保証金の額をこえるときは、次項の前受金保全措置を講じ(後略)

条文の主語が「前払式割賦販売」なのは、第18条の3が割賦販売の章の規定だからです。互助会(前払式特定取引)には第35条の3の62が準用しており、その読み替えは「商品の代金」を「商品の代金又は指定役務の対価」に置き換えるだけで、「前払式割賦販売の契約」という語はそのまま残ります。

(出典:割賦販売法第18条の3・第35条の3の62による準用・e-Gov法令検索・2026-08-17確認)

**保全されるのは、集めた前受金の2分の1に相当する額です。全額ではありません。**基準日は毎年3月31日と9月30日で、保全の方法は前受業務保証金の供託または供託委託契約の締結と定められています(同条)。

つまり許可事業者であることは「経営が絶対に安全」という保証ではなく、万一の場合に半分に相当する額の弁済原資が確保されている制度に入っているという意味です。ここを正確に理解しておくことが、過大な安心も過度な不安も避ける唯一の方法です。

なお、業界団体である一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会(全互協)は、公式サイトに「日本全国98%の互助会が加盟 ※前受金残高ベース」と表示しています(2026-08-17確認)。これは協会自身による記載であり、加盟の有無は法律上の許可とは別のものです。

⑦ 実際の確認手順(3ステップ)

  1. **契約書・約款・会員証で「正式な法人名」を確認する。ブランド名ではなく、株式会社◯◯の部分です。あわせて許可番号(互第◯◯◯◯号)**の記載があれば控えます
  2. **経済産業省の「(前払式取引)許可事業者一覧」ページを開き、「前払式特定取引業者(冠婚葬祭互助会)一覧」のPDFを法人名で検索する。**友の会の一覧ではないことを確認してください
  3. 見つからない場合も、そこで結論を出さない。上の⑤の4つの理由があります。所管は経済産業省 商務・サービスグループ 商取引・消費経済政策課(電話 03-3501-1511・同ページに記載)です。契約内容そのものの不安であれば、消費者ホットライン「188(いやや!)」番(最寄りの消費生活センター等につながる全国共通の3桁番号・出典:国民生活センター・2026-08-17確認)が使えます

**ネット上の情報で「この互助会は危ない」と判断しないでください。**判断できるのは、公表資料に載っているかどうかという事実だけです。

⑧ 一覧を確認したあとに、必ず見ておく2つのこと

許可の有無より、実際に問題になりやすいのは次の2点です。

(1) 解約したときにいくら戻るか。互助会の契約は、消費者契約法の適用を受ける消費者契約です。同法第9条第1号は、解除に伴う損害賠償・違約金の定めについて「当該消費者契約と同種の消費者契約の解除に伴い当該事業者に生ずべき平均的な損害の額を超えるもの」は、その超える部分を無効としています(出典:e-Gov法令検索・2026-08-17確認)。また同条第2項は、事業者に対し、消費者から求められたときは算定根拠の概要を説明する努力義務を課しています。解約手数料の考え方は 互助会の解約手数料と返金——割賦販売法のルールで検算する にまとめました。

**(2) 積立金で葬儀費用がどこまでまかなえるか。**互助会の積立は「葬儀の対価の前払い」であって、葬儀費用の総額と一致するとは限りません。差額が出る仕組みと実額の考え方は 互助会の積立で葬儀費用はまかなえるか——前払式の仕組みと実額 で扱っています。

よくある質問(FAQ)

Q1. 親が入っている互助会が一覧になかったのですが、解約したほうがいいですか? 一覧に無いことだけを理由に判断しないでください。年間取引額が1,000万円未満なら許可自体が不要(割賦販売法第35条の3の61第1号・施行令第4条)ですし、許可名義の法人名がブランド名と違う、基準日以降の変更である、そもそも前払式特定取引ではない商品である、といった可能性があります。まず契約書の正式な法人名で再検索し、それでも不明なら経済産業省 商取引・消費経済政策課、または消費者ホットライン188にご相談ください。

Q2. 許可を受けていれば、積立金は全額保証されますか? いいえ。割賦販売法が義務づけている前受金保全措置は、前受金の合計額の2分の1に相当する額を対象としています(第18条の3・2026-08-17確認)。全額ではありません。

Q3. 「友の会」の一覧に名前がありました。これで大丈夫ですか? 「友の会」は百貨店等の積立を対象とした別の一覧です(令和8年3月末時点で80社)。冠婚葬祭互助会として確認したい場合は、「前払式特定取引業者(冠婚葬祭互助会)一覧」のPDFで確認してください。

Q4. 許可番号から何がわかりますか? 一覧には「互第◯◯◯◯号」という許可番号と許可年月日が記載されています。番号そのものは事業者の識別であり、経営状態や品質を表すものではありません。228社のうち206社は昭和のうちに許可を受けており、最も古いものは昭和48年12月27日です(自社DB・2026-08-16取得)。

Q5. 互助会と葬儀保険は同じですか? 別のものです。互助会(前払式特定取引)は割賦販売法に基づく経済産業大臣の許可事業で、集めるのは「役務の対価の前払い」です。葬儀保険・少額短期保険は保険業法の世界で、監督官庁も制度も異なります。パンフレットの表現が似ていても、根拠法が違えば保全の仕組みも解約時の扱いも違います。


※法令・公表一覧は改定されます。本記事の一覧件数・法令条文は2026年8月17日、228社の内訳(都道府県別・許可年別)は2026年8月16日時点で取得した経済産業省の令和8年3月末時点一覧に基づきます。本記事は特定の事業者の適法性・信用力を評価するものではなく、公表資料の読み方を説明するものです。個別の判断は所管官庁および消費生活センター等にご確認ください。

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出典

最終更新: 2026-08-17