札幌市の火葬料「市民無料」は2026年3月で終了|改定後16,000円と葬祭費3万円で検算する
筆者は本記事で扱うサービスの利用経験・利害関係はありません。本記事は自治体・省庁の公式情報と公開データを整理したものです。
札幌市の火葬料「市民無料」は2026年3月で終了した:改定後16,000円と葬祭費3万円で検算する
札幌市は火葬場条例を改正し、令和8年(2026年)4月1日の火葬場使用分から火葬料を改定しました。これにより、それまで札幌市民は無料だった火葬料が、市内16,000円・市外54,000円(12歳以上)になりました。ここに火葬式(直葬)プランの定価(税抜90,000円〜229,000円・火葬料は別途)を足して葬祭費3万円を差し引くと、札幌市民の直葬の実質負担は76,000〜215,000円です。
プラン価格は定価で置いています。資料請求の割引を当てにした金額は、読者が資料請求してはじめて成立する金額なので、検算の基準額には使いません(割引額は③に注記としてまとめています)。
いま「札幌 火葬 無料」で検索すると、無料と書かれた記事が複数出てきます。それらの多くは改定前に書かれたものです。制度が変わったので、金額が変わりました。 それだけの話ですが、見積書を見る前に知っているかどうかで、心の準備が16,000円分変わります。
① 何がいつ変わったか(札幌市公式・更新日2026年2月1日)
札幌市の公式ページには、次のように記載されています。
札幌市火葬場条例(昭和59年条例第9号)を一部改正し、令和8年4月1日の火葬場使用分から、火葬場使用料の改定を行います。
(出典:札幌市「斎場利用のご案内」・更新日2026年2月1日・2026-08-16確認)
対象は里塚斎場・山口斎場の2斎場です。改定の前後を並べます。
改定前(〜令和8年3月31日の火葬場使用分)
改定前の公式表は「種類/単位/金額」の3列で、市内・市外という区分の列がありません。掲載どおりに再掲します。
| 種類 | 単位 | 金額 |
|---|---|---|
| 火葬炉 ★12歳以上 | 1体につき | 49,000円 |
| 火葬炉 ★12歳未満 | 1体につき | 40,000円 |
| ★死胎(死産) | 1体につき | 23,000円 |
| ★埋葬体(土葬体) | 1体につき | 12,000円 |
表の下に、次の注記が付いています。
★印…札幌市民は無料です。なお、死胎(死産)においては、出産した者が札幌市民の場合に無料となります。
つまり改定前のページは「市外」という語を使わず、★印と注記で「札幌市民は無料/それ以外は掲載額」を表していました。この読み方に立つと、49,000円は札幌市民以外に適用されていた額ということになります。
※自社DBが行として持っているのは改定後の額で、改定前の49,000円・40,000円は同DBの備考欄、死胎23,000円・埋葬体12,000円は札幌市の公式ページから直接引いています。
改定後(令和8年4月1日の火葬場使用分〜/現行)
| 区分 | 市内 | 市外 |
|---|---|---|
| 火葬炉 12歳以上の死体 | 16,000円 | 54,000円 |
| 火葬炉 12歳未満の死体 | 13,000円 | 44,000円 |
| 死胎 | 8,000円 | 25,000円 |
| 埋葬された死体 | 4,000円 | 13,000円 |
(いずれも出典:札幌市・上掲・2026-08-16確認)
変化を一言でまとめると、札幌市民は0円→16,000円、それ以外(改定後の区分でいう市外)は49,000円→54,000円です。市民の負担が新たに発生した点が、この改定の実質的な中身です。
なお公式ページには、火葬炉のほかに特別控室・霊安室・火葬済証明手数料などの項目も掲載されています。実際に使う項目と金額は、利用時に公式の料金表で確認してください。
② 葬祭費:札幌市は3万円
故人が加入していた健康保険から、葬祭を行った人に葬祭費が支給されます(自社DB/2026-08-16確認)。
| 制度 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 30,000円 | 出典:札幌市「死亡したとき(葬祭費)」 |
| 後期高齢者医療(原則75歳以上) | 30,000円 | 北海道後期高齢者医療広域連合(申請は札幌市の窓口)。出典:札幌市「後期高齢者医療制度の葬祭費(申請手続の案内)」 |
札幌市の3万円は、本サイトで確認した6都市(東京23区7万円/横浜市・大阪市・名古屋市5万円/札幌市・福岡市3万円)の中で最も低い水準です。東京23区とは4万円の差があります(→ 葬祭費はいくらもらえるか——6都市の実額一覧(3万〜7万円))。
したがって札幌市では、「火葬料が新たに16,000円かかるようになり、給付は3万円」という組み合わせになります。給付で火葬料は賄えますが、その差は14,000円です。葬祭費も申請しなければ支給されません(→ 葬祭費の申請期限は2年——時効で消える給付金の申請手順)。
③ 民間の葬儀費用相場(出典つき・幅で見る)
火葬場の使用料は総額の一部です。葬儀社に払う費用が別にかかります。
- 火葬式(直葬)プランの定価レンジ:税抜90,000円〜229,000円。母集団は、火葬料が別途であるとサイトに明記している3社9プラン(小さなお葬式・よりそうお葬式・イオンのお葬式)に限定しています。自社DBは5社12プランを収録していますが、火葬料が別途か込みかの記載を確認できなかった2社は、足し算の条件がそろわないため外しました(出典:各社公式・2026-08-17確認。9プランの内訳は 直葬・火葬式の実額——公営火葬場を使うと総額いくらか)
- レンジの両端に付く条件:下限はイオンのお葬式「シンプル火葬プラン」の90,000円(税抜)ですが、これは「〜」付きの最低価格表記で、対応は東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県の斎場(火葬場)利用限定(一部利用不可地域あり)です。上限は小さなお葬式「自宅安置プラン」の229,000円(税抜)。税抜でそろえているのは、小さなお葬式が通常価格を税抜でしか掲載していないからです(よりそうお葬式は定価を税抜106,000円/税込116,600円と併記しています)
- 資料請求の割引は「定価から下がる」注記として扱います:小さなお葬式は無料資料請求で5万円割引で、ホール安置プランなら定価209,000円→159,000円(税込174,900円)になります。同社の最安は「お別れプラン」で、定価139,000円→89,000円(税込97,900円)です。よりそうお葬式は事前資料請求などで3万円引(申込前日までに資料請求とあんしん準備シート記入・会員限定の割引額)。割引後の価格は、読者が資料請求という行動を取ってはじめて成立する価格なので、下の検算の基準額には使いません
- 火葬料はどのプランでも別途です。小さなお葬式の公式ページには「火葬料金は別途お客様負担となります」と明記されています(出典:小さなお葬式・2026-08-17確認)
- 全国平均:葬儀費用の総額は118.5万円、形式により42.8万〜161.3万円(出典:鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」・2026-08-16確認)
「火葬料金は別途」という但し書きは、札幌では改定前まで実害がありませんでした。 市民は火葬料が0円だったからです。改定後は、この但し書きがそのまま16,000円の追加になります。プラン価格だけを見て総額を想像すると、その分だけずれます。
④ 総額の検算:札幌市で直葬はいくらか(改定前後の比較つき)
公式料金を1つの算数にします。プラン費用は③の定価レンジ(税抜90,000円〜229,000円・火葬料は別途)、火葬料は札幌市公式の実額、給付は葬祭費3万円です。各欄の左の数字がレンジ下限のプラン、右の数字が上限のプランを選んだ場合を表します。
プラン費用は税抜の定価なので、実際にはここに消費税が加わり、資料請求の割引を使えばその分下がります。
| 条件 | プラン定価(税抜) | 火葬料 | 小計 | 葬祭費 | 実質負担 |
|---|---|---|---|---|---|
| 札幌市民(改定前・参考) | 90,000〜229,000円 | 0円 | 90,000〜229,000円 | −30,000円 | 60,000〜199,000円 |
| 札幌市民(現行) | 90,000〜229,000円 | 16,000円 | 106,000〜245,000円 | −30,000円 | 76,000〜215,000円 |
| 市外(札幌の斎場を使用・現行) | 90,000〜229,000円 | 54,000円 | 144,000〜283,000円 | −30,000円※ | 114,000〜253,000円 |
※市外の方の葬祭費は故人の住所地の保険者から支給されるため、金額は自治体により異なります(3万〜7万円)。上表は仮に3万円とした参考値です。
同じ内容の直葬で、改定前と比べて16,000円増えています。 改定前の60,000〜199,000円が、現行では76,000〜215,000円。どのプランを選んでも増えるのは16,000円ちょうどです。これは葬儀社の値上げでも見積もりの上振れでもなく、条例改正による公定価格の変更です。逆に言えば、この16,000円は誰と交渉しても動きません。市外の方が札幌の斎場を使う場合は114,000〜253,000円になります。
動かせるのは葬儀社に払う側で、こちらの幅は139,000円(90,000円と229,000円の差)あります。改定で増えた16,000円より、どのプランを選ぶかのほうが総額を大きく動かします。
6都市の中での位置
現行の市民料金で並べると、札幌市16,000円は真ん中あたりに位置します。
| 都市 | 市民の火葬料(大人) | 葬祭費 |
|---|---|---|
| 名古屋市 | 5,000円 | 50,000円 |
| 大阪市 | 10,000円 | 50,000円 |
| 横浜市 | 12,000円 | 50,000円 |
| 札幌市 | 16,000円 | 30,000円 |
| 福岡市 | 20,000円 | 30,000円 |
| 東京23区(臨海斎場・組織区民) | 44,000円 | 70,000円 |
(いずれも自社DB/各自治体公式・2026-08-16確認。詳細は 火葬料金の6都市比較——市民5,000円から70,000円まで)
「無料」と書いてある記事を見たときの確認方法
制度が変わった直後は、古い情報と新しい情報が同時にネット上に存在します。確認の手順は1つだけです。
- 札幌市の公式ページ(斎場利用のご案内)を開く
- ページ上部の**「更新日」**を見る
- 料金表の見出しに**「令和8年4月1日火葬場使用分からの火葬場使用料」**と書かれた表を読む
公式ページには改定前後の両方の表が併記されているため、どちらの表を読んでいるかだけ注意してください。本記事の数字は、更新日2026年2月1日版の掲載内容を2026年8月16日に確認したものです。
よくある質問(FAQ)
Q1. いつの火葬から16,000円になりますか? 「令和8年4月1日の火葬場使用分から」です(出典:札幌市・上掲・2026-08-16確認)。基準は申込日や死亡日ではなく、火葬場を使用する日です。
Q2. 札幌市民であることはどう判定されますか? 公式表は「市内/市外」の区分で掲載されています。故人と喪主の住所地が異なる場合の取り扱いは、斎場または市の担当窓口へ確認してください。市外料金は市内の3倍以上(16,000円→54,000円)になるため、確認の価値があります(→ 市外の火葬場を使うと何倍払うのか——市民/市外料金の6都市比較)。
Q3. 火葬料が有料化された分、葬祭費は増えましたか? 本記事で確認した範囲では、札幌市の葬祭費は国民健康保険・後期高齢者医療とも30,000円です(出典:札幌市・上掲・2026-08-16確認)。火葬料の改定と給付額は別の制度なので、連動していません。
Q4. 葬儀社の見積もりに火葬料が入っていません。抜けているのでしょうか? 抜けているのではなく、別立てで発生する実費です。当サイトが確認した3社9プランは、いずれも火葬料が別途で、小さなお葬式の公式ページには「火葬料金は別途お客様負担となります」と明記されています(出典:小さなお葬式・上掲・2026-08-17確認)。札幌市民なら現行16,000円を足して総額を考えてください。
Q5. 里塚斎場と山口斎場で料金は違いますか? 本記事で確認した公式掲載では、火葬場使用料は2斎場共通で示されています(出典:札幌市・上掲・2026-08-16確認)。予約状況やアクセスは異なるため、日程は葬儀社と斎場の空きで調整することになります。
※料金・給付額は改定されます。本記事の公営料金・給付額は2026年8月16日時点で札幌市公式ページ(更新日2026年2月1日)および各公式ページから、民間プランの定価・割引条件は2026年8月17日時点で各社公式ページから確認したものです。利用時は必ず最新の公式情報(札幌市・北海道後期高齢者医療広域連合)で確認してください。本記事は特定の斎場・葬儀社・他媒体の批判を目的とするものではありません。
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出典
- 札幌市 斎場利用のご案内 (2026-08-16 取得) 更新日2026年2月1日。札幌市火葬場条例(昭和59年条例第9号)の一部改正により令和8年4月1日の火葬場使用分から改定。改定前は札幌市民無料(12歳以上49,000円)、改定後は市内16,000円/市外54,000円。対象は里塚斎場・山口斎場
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- 小さなお葬式 ホール安置プラン (2026-08-17 取得) 定価209,000円(税抜)/無料資料請求の割引後159,000円(税抜)・174,900円(税込)。「火葬料金は別途お客様負担となります」の明記。同社の最安プランではない
- 小さなお葬式 自宅安置プラン (2026-08-17 取得) 定価229,000円(税抜)/割引後179,000円(税抜)・196,900円(税込)。本記事の定価レンジの上限
- よりそうお葬式 火葬式直葬プラン (2026-08-17 取得) 定価106,000円(税抜)・116,600円(税込)/事前資料請求などの割引後76,000円(税抜)・83,600円(税込)。火葬料金が別途必要である旨をページに明記
- イオンのお葬式 シンプル火葬プラン (2026-08-17 取得) 90,000円(税抜)・99,000円(税込)からの「〜」表記。資料請求割引の対象外である旨が記載され割引後価格の掲載なし。東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県の斎場(火葬場)利用限定。本記事の定価レンジの下限
- 鎌倉新書 【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年) (2026-08-16 取得) 葬儀費用の総額平均118.5万円/形式別42.8万〜161.3万円
最終更新: 2026-08-17