名古屋市で親を送る|火葬料5,000円(八事斎場は休止中)と葬祭費5万円で検算する
筆者は本記事で扱うサービスの利用経験・利害関係はありません。本記事は自治体・省庁の公式情報と公開データを整理したものです。
名古屋市で親を送る:火葬料5,000円(八事斎場は休止中)と葬祭費5万円で検算する
名古屋市立斎場の火葬料は市民5,000円・市外70,000円(14倍)。ただし八事斎場は再整備工事のため人体火葬を休止中(令和7年4月〜令和10年5月)で、市民の火葬は第二斎場で対応する体制になっています。ここに火葬式(直葬)プランの定価(税抜90,000円〜229,000円・火葬料は別途)を足し、葬祭費5万円を引くと、名古屋市民の直葬の実質負担は45,000〜184,000円になります。
プラン価格は定価で置いています。資料請求の割引を当てにした金額は、読者が資料請求してはじめて成立する金額なので、検算の基準額には使いません(割引額は④に注記としてまとめています)。
名古屋市の火葬料5,000円は、本サイトで料金を確認した6都市(東京23区・横浜・大阪・名古屋・札幌・福岡)の中で最も安い市民料金です。同時に、市外料金70,000円との差が14倍と最も開いている都市でもあります。順に見ていきます。
① 名古屋市立斎場の公式料金(自社DB/2026-08-16確認)
火葬料(八事斎場・第二斎場共通)
| 項目 | 名古屋市民 | 市外 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 火葬料金 大人 | 5,000円 | 70,000円 | 14.0倍 |
| 火葬料金 小人(10歳未満) | 2,500円 | 35,000円 | 14.0倍 |
有料休憩室
| 施設 | 区分 | 名古屋市民 | 市外 |
|---|---|---|---|
| 第二斎場 | 有料休憩室(1室1回) | 4,000円 | 6,000円 |
| 八事斎場 | 有料休憩室(1室1回) | 3,000円 | 4,500円 |
(出典:名古屋市「市立斎場の使用料金」・2026-08-16確認)
※この4つの額は、いずれも自社DBに1行ずつのデータとして収録しています(出典:名古屋市「市立斎場の使用料金」・2026-08-17確認)。ただし下の検算では、通夜・告別式を行わない直葬を前提としているため、休憩室の使用料は加算していません。
② 八事斎場は火葬休止中——今の実務は第二斎場
名古屋市で最も注意が必要なのは、施設の状況です。
- 八事斎場は令和7年3月31日をもって人体火葬を休止しており、名古屋市は「工事期間中は、港区にあります『名古屋市立第二斎場』をご利用ください」と案内しています(出典:名古屋市「八事斎場(人体火葬は休止中です)」・2026-08-16確認)
- 再整備の期間は令和7年4月から令和10年5月までで、令和10年6月から新しい八事斎場の供用開始を予定。再整備期間中の市民の火葬は第二斎場で対応する、と市が公表しています(出典:名古屋市「八事斎場再整備」・2026-08-16確認)
つまり、いま名古屋市内で公営の火葬を行う場合、実務上の窓口は第二斎場になります。ネット上の記事や少し前のパンフレットには「八事斎場で火葬」と書かれたものが残っているため、故人の見送り先を八事斎場だと思って準備を進めると、当日の段取りが変わります。
休憩室の料金も、八事斎場(市民3,000円)と第二斎場(市民4,000円)で異なります。実際に使うのは第二斎場側の料金です。工事の進捗・再開時期は変わるため、利用時は必ず名古屋市の公式ページで最新の状況を確認してください。
第二斎場の予約が取れなかった場合の補助制度
再整備期間中に限り、名古屋市は市外火葬場利用料金補助制度を設けています。第二斎場の予約ができなかったために第二斎場以外の火葬場を利用した場合に、その火葬場が定める人体火葬の管外(市外)料金の半額を補助するもので、申請には第二斎場の予約ができなかったことの証明書が必要です(対象期間は令和7年4月から令和10年5月までの火葬。他の自治体から火葬料金の補助を受けていないことが要件。出典:名古屋市「名古屋市市外火葬場利用料金補助制度」・2026-08-16確認)。
予約が取れて第二斎場を使えた場合は対象外です。該当しそうなときは、証明書の手配を含めて葬儀社に相談してください(原則として葬祭業者を通した申請になります)。
③ 葬祭費:名古屋市は5万円(保険料未納に注意)
故人が加入していた健康保険から、葬祭を行った人に葬祭費が支給されます(自社DB/2026-08-16確認)。
| 制度 | 金額 | 備考 |
|---|---|---|
| 国民健康保険 | 50,000円 | 世帯主または葬祭執行者に支給。保険料未納があると支給されない場合あり(出典:名古屋市「国民健康保険における葬祭費の支給申請」) |
| 後期高齢者医療(原則75歳以上) | 50,000円 | 愛知県後期高齢者医療広域連合(出典:愛知県後期高齢者医療広域連合「葬祭費の支給」) |
「保険料未納があると支給されない場合あり」という条件は、名古屋市の公式ページに明記されています。 親の国民健康保険料の納付状況を家族が把握していないことは珍しくありません。該当しそうな場合は、申請前に区役所の保険年金課へ電話で確認しておくと、当てにしていた5万円が出ないという事態を避けられます。
葬祭費は申請制で、期限は原則2年です。申請先・必要書類は 葬祭費の申請期限は2年——時効で消える給付金の申請手順 にまとめました。
④ 民間の葬儀費用相場(出典つき・幅で見る)
斎場の使用料は総額の一部です。葬儀社に払う費用が別にかかります。
- 火葬式(直葬)プランの定価レンジ:税抜90,000円〜229,000円。母集団は、火葬料が別途であるとサイトに明記している3社9プラン(小さなお葬式・よりそうお葬式・イオンのお葬式)に限定しています。自社DBは5社12プランを収録していますが、火葬料が別途か込みかの記載を確認できなかった2社は、足し算の条件がそろわないため外しました(出典:各社公式・2026-08-17確認。9プランの内訳は 直葬・火葬式の実額——公営火葬場を使うと総額いくらか)
- レンジの両端に付く条件:下限はイオンのお葬式「シンプル火葬プラン」の90,000円(税抜)ですが、これは「〜」付きの最低価格表記で、対応は東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県の斎場(火葬場)利用限定(一部利用不可地域あり)です。上限は小さなお葬式「自宅安置プラン」の229,000円(税抜)。税抜でそろえているのは、小さなお葬式が通常価格を税抜でしか掲載していないからです(よりそうお葬式は定価を税抜106,000円/税込116,600円と併記しています)
- 資料請求の割引は「定価から下がる」注記として扱います:小さなお葬式は無料資料請求で5万円割引で、ホール安置プランなら定価209,000円→159,000円(税込174,900円)になります。同社の最安は「お別れプラン」で、定価139,000円→89,000円(税込97,900円)です。よりそうお葬式は事前資料請求などで3万円引(申込前日までに資料請求とあんしん準備シート記入・会員限定の割引額)。割引後の価格は、読者が資料請求という行動を取ってはじめて成立する価格なので、下の検算の基準額には使いません
- 火葬料はどのプランでも別途です。小さなお葬式の公式ページには「火葬料金は別途お客様負担となります」と明記されています(出典:小さなお葬式・2026-08-17確認)
- 全国平均:葬儀費用の総額は118.5万円、形式により42.8万〜161.3万円(出典:鎌倉新書「第6回お葬式に関する全国調査(2024年)」・2026-08-16確認)
名古屋市の場合、火葬料が5,000円と極端に安いため、総額に占める公営施設費の比率がほぼ無視できる水準になります。逆に言えば、名古屋の葬儀費用の高低はほぼ100%、葬儀社に払う部分で決まります。
⑤ 総額の検算:名古屋市で直葬はいくらか
公式料金を1つの算数にします。プラン費用は④の定価レンジ(税抜90,000円〜229,000円・火葬料は別途)、火葬料・休憩室は自社DBの実額、給付は葬祭費5万円です。各欄の左の数字がレンジ下限のプラン、右の数字が上限のプランを選んだ場合を表します。
プラン費用は税抜の定価なので、実際にはここに消費税が加わり、資料請求の割引を使えばその分下がります。
直葬(通夜・告別式を行わず火葬のみ)
| 条件 | プラン定価(税抜) | 火葬料 | 小計 | 葬祭費 | 実質負担 |
|---|---|---|---|---|---|
| 名古屋市民 | 90,000〜229,000円 | 5,000円 | 95,000〜234,000円 | −50,000円 | 45,000〜184,000円 |
| 名古屋市民(休憩室1室あり) | 90,000〜229,000円 | 5,000円+4,000円 | 99,000〜238,000円 | −50,000円 | 49,000〜188,000円 |
| 市外(市立斎場を使用) | 90,000〜229,000円 | 70,000円 | 160,000〜299,000円 | −50,000円※ | 110,000〜249,000円 |
※市外の方の葬祭費は故人の住所地の保険者から支給されるため、金額は自治体により異なります(3万〜7万円)。上表は仮に5万円とした参考値です。
名古屋市民の直葬・実質45,000〜184,000円は、本サイトで検算した6都市の中で最も低い水準です。理由は単純で、火葬料が5,000円だからです。第二斎場の有料休憩室を1室使うと49,000〜188,000円になります。一方、市外の方が同じ第二斎場を使うと火葬料は70,000円になり、実質負担は110,000〜249,000円。どのプランを選んでも、市民との差は65,000円のままです。
ただし、プランをどれにするかで動く幅は139,000円(90,000円と229,000円の差)あります。名古屋では市民か市外かより、どのプランを選ぶかのほうが総額を大きく動かします。
一般葬・家族葬の場合
名古屋市立斎場の公式料金として本記事で確認できたのは火葬料と有料休憩室であり、通夜・告別式を行う式場(葬祭ホール)の使用料は本記事のデータには含まれていません。名古屋で式を行う場合は民間の式場を使うケースが一般的です。式場費は各社の設定になるため、見積書で「式場使用料」がいくら計上されているかを個別に確認してください。
全国平均の総額118.5万円(上掲・鎌倉新書)から公営施設費(火葬料5,000円+休憩室4,000円=9,000円)を引くと、約117.6万円が葬儀社・式場・飲食・返礼品・宗教者に支払う部分です。名古屋で費用を検討するときは、この117万円分の内訳がすべてだと考えて差し支えありません。
見積書で確認する2点
名古屋市で葬儀社の見積もりを取るときは、次の2つだけ確認してください。
- 火葬場はどこか(第二斎場か、市外・近隣自治体の施設か、民間か)。名古屋市民が第二斎場を使えば火葬料は5,000円です。ここが数万円で計上されている場合は、施設が違うか市外扱いになっている可能性があります
- 式場はどこの何という施設か。名古屋は民間式場を使うことが多く、式場費が総額を大きく動かします
聞き方は「火葬場と式場の施設名を教えてください」の一言で足ります。病院で紹介された葬儀社への対応は 病院で紹介された葬儀社をそのまま使うべきか——搬送と葬儀は別の契約 にまとめています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 八事斎場はいつ再開しますか? 名古屋市は「令和7年4月から令和10年5月まで、八事斎場の再整備を行い、令和10年6月から新しい八事斎場の供用開始を予定しています」と公表しています(出典:名古屋市「八事斎場再整備」・上掲・2026-08-16確認)。ただし整備スケジュールには「事業者からの提案内容であり、設計の進捗により変更する場合があります」との注記があります。当面は第二斎場が窓口になります。
Q2. 名古屋市民でなくても市立斎場は使えますか? 使えますが市外料金です。火葬料は5,000円→70,000円と14倍になります(出典:名古屋市・上掲・2026-08-16確認)。親が名古屋市外に住民登録をしていた場合は、故人の住所地の火葬場を使うほうが安くなるのが一般的です(→ 市外の火葬場を使うと何倍払うのか——市民/市外料金の6都市比較)。
Q3. 火葬料5,000円は本当ですか?何か別に取られませんか? 名古屋市の公式掲載額です(出典:上掲・2026-08-16確認)。これは火葬炉の使用料のみで、搬送・安置・棺・骨壺・スタッフなどの葬儀社費用は別途です。「火葬料が安い=葬儀が安い」ではありません。
Q4. 親の国民健康保険料に未納があります。葬祭費はもらえませんか? 名古屋市の公式ページには「保険料未納があると支給されない場合あり」と記載されています(出典:名古屋市・上掲・2026-08-16確認)。「必ず出ない」ではなく「場合あり」なので、申請前に区役所の担当窓口へ状況を伝えて確認してください。
Q5. 親が75歳以上でした。窓口はどこですか? 後期高齢者医療制度の葬祭費(愛知県後期高齢者医療広域連合・50,000円)になります。申請の入口は市区町村の窓口です(出典:愛知県後期高齢者医療広域連合・上掲・2026-08-16確認)。詳しくは 後期高齢者医療の葬祭費——75歳以上の親を送ったときの実額 へ。
※料金・給付額・施設の稼働状況は変わります。本記事の公営料金・給付額は2026年8月16日時点、民間プランの定価・割引条件は2026年8月17日時点で、それぞれ各公式ページから確認したものです。利用時は必ず最新の公式情報(名古屋市・愛知県後期高齢者医療広域連合)で確認してください。本記事は特定の斎場・葬儀社の推奨や批判を目的とするものではありません。
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出典
- 名古屋市 市立斎場の使用料金 (2026-08-16 取得) 火葬料金(大人 市民5,000円/市外70,000円、10歳未満 市民2,500円/市外35,000円)。有料休憩室は第二斎場4,000円・八事斎場3,000円(いずれも市民・1室1回)
- 名古屋市 八事斎場(人体火葬は休止中です) (2026-08-16 取得) 令和7年3月31日をもって人体火葬を休止。「工事期間中は、港区にあります『名古屋市立第二斎場』をご利用ください」との案内
- 名古屋市 八事斎場再整備 (2026-08-16 取得) 再整備期間は令和7年4月〜令和10年5月、令和10年6月から新しい八事斎場の供用開始を予定。スケジュールは事業者提案であり設計の進捗により変更する場合ありとの注記
- 名古屋市 名古屋市市外火葬場利用料金補助制度 (2026-08-16 取得) 第二斎場の予約ができなかったために他の火葬場を利用した場合、その火葬場の管外(市外)料金の半額を補助。予約ができなかったことの証明書が必要。対象は令和7年4月〜令和10年5月の火葬
- 名古屋市 国民健康保険における葬祭費の支給申請 (2026-08-16 取得) 葬祭費50,000円。世帯主または葬祭執行者に支給。保険料未納があると支給されない場合ありの記載
- 愛知県後期高齢者医療広域連合 葬祭費の支給 (2026-08-16 取得) 後期高齢者医療制度の葬祭費50,000円。申請の入口は市区町村の窓口
- 小さなお葬式 お別れプラン (2026-08-17 取得) 同社の火葬式で最も安いプラン。定価139,000円(税抜)/無料資料請求の割引後89,000円(税抜)・97,900円(税込)。「火葬料金は別途お客様負担となります」の明記
- 小さなお葬式 ホール安置プラン (2026-08-17 取得) 定価209,000円(税抜)/無料資料請求の割引後159,000円(税抜)・174,900円(税込)。「火葬料金は別途お客様負担となります」の明記。同社の最安プランではない
- 小さなお葬式 自宅安置プラン (2026-08-17 取得) 定価229,000円(税抜)/割引後179,000円(税抜)・196,900円(税込)。本記事の定価レンジの上限
- よりそうお葬式 火葬式直葬プラン (2026-08-17 取得) 定価106,000円(税抜)・116,600円(税込)/事前資料請求などの割引後76,000円(税抜)・83,600円(税込)。火葬料金が別途必要である旨をページに明記
- イオンのお葬式 シンプル火葬プラン (2026-08-17 取得) 90,000円(税抜)・99,000円(税込)からの「〜」表記。資料請求割引の対象外である旨が記載され割引後価格の掲載なし。東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県の斎場(火葬場)利用限定。本記事の定価レンジの下限
- 鎌倉新書 【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年) (2026-08-16 取得) 葬儀費用の総額平均118.5万円/形式別42.8万〜161.3万円
最終更新: 2026-08-17